こんにちは、看護師・保健師/コラムニストの竹内英子です。
今回のコラムでは、「マリッジブルー」について取り上げています。
「結婚する」ということは、多くの人にとってとても大きな決断です。そのため、結婚を決めた後、結婚相手との暮らしや子育て、仕事、経済面などの不安がムクムクと頭をもたげてくるのです。結婚前の人が、結婚することへの不安や迷いを強く感じて、精神的に不安定な状況になる状態を「マリッジブルー」といいます。
マリッジブルーの症状は?
マリッジブルーには少し気持ちが沈む状態から、常に不安定な状態まで様々なレベルがあります。
下記の4つにレベル分けしたものを掲載しています。この4つのレベルは、特に根拠となるものはありませんが、これまでの経験から目安にしていただくものとして私が独自で考えたものです。
レベル1、2程度なら心配はありませんが、レベル3、4になると心療内科の受診やオンラインカウンセリングなどの手助けが必要になります。
レベル1
結婚後の生活について考えると、なんとなく気持ちが沈む
レベル2
結婚の準備をしていると「これでよかったのか」と心配になる
レベル3
自由を奪われたような気持になってイライラする、結婚について考えたくないと思う
レベル4
結婚相手に対する怒りがわきあがる、ちょっとしたことで涙が出て何もやる気が起きない
マリッジブルーの正体
「マリッジブルー」という診断名はなく、その状態になって日が浅ければ「抑うつ状態」「うつ状態」「適応障害」などと判断され、6カ月以上経過していれば「うつ病」の診断がつくこともあります。
マリッジブルーの多くは予期不安から起こります。まだ始まっていない結婚生活に対する漠然とした不安に飲み込まれ、精神的に不安定になってしまうのです。
不安と恐怖の違いは?
マリッジブルーのように気持ちが沈み込みイライラしてしまう原因には、「不安」と「恐怖」があります。
不安が原因のマリッジブルー 対象が具体的ではなく、漠然としているけれど心配で仕方がないという状態を不安といいます。マリッジブルーの多くはこの不安が原因であり、「結婚してから後悔したらどうしよう」「家事と仕事をうまくやっていけるかな」という、まだ生じていない問題が起きることを心配して気持ちが沈むのです。 今起きている問題と、これから起きるかもしれない問題を整理して、対応方法を考えていくことで、見通しが持てて不安が解消していきます。
恐怖が原因のマリッジブルー 恐怖は、結婚生活を阻害すると思われる具体的な要因がある場合に起こります。一般的に多い要因として、暴力やギャンブル、浮気、借金などといった容易には治らない結婚相手の性癖に関係しているものがあります。いずれも結婚する予定の相手に具体的な恐怖を感じている状態です。 このような場合は、結婚そのものを考え直した方がよい場合もあります。いったん立ち止まって、相手をよく知る人や自分の友人、オンラインカウンセリングなどの第三者に相談してみることをおすすめします。
結婚前に生じる気持ちの落ち込み「マリッジブルー」は、結婚前にもう一度二人の関係や将来について考えるチャンスなのかもしれませんね。
ここで我慢するのではなく、しっかりと見つめ直すことで未来を期待できるものへと変えられます。ゆっくり向き合ってみてくださいね。
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参考
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竹内 英子 Eiko Takeuchi
自身の子育てや介護の体験と業務上の個別相談対応から、睡眠は、メンタルヘルスだけでなく身体の健康や日々のパフォーマンスに密接に関連していることを実感し、リラックス法や呼吸法などを取り入れた睡眠指導を行っている。
<保持資格>看護師、保健師
https://www.liblaboratory.com/takeuchieiko
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