こんにちは、精神科医/コラムニストの岡田夕子です。
今回のコラムでは、「育児ノイローゼと産後うつ病」について取り上げます。
みなさんは「育児ノイローゼ」という言葉を聞いたことがありますか?コラムでも何度か取り上げたので「産後うつ病」についてはご理解いただけたことと思います。
【産後うつ病に関する過去のコラム】
『産後うつはいつから始まる?マタニティブルーズってなに?』
『男性も産後うつになる!?』
『男性にも起こる産後うつ!予防するには?』
『産後うつは日常生活能力を奪う恐怖の悪魔!早めに気づくべき11の症状大公開』
『まさかマタニティ・ブルース?産後うつ??産後に違和感があるときの緩和法』
まずは、育児ノイローゼの話の前に、改めて産後うつ病の説明からさせていただきます。
産後うつ病ってなに?
「産後」とついているものの多くは産前から始まっており、産後うつ病というのは、気分の落ち込みやイライラが見られます。急に涙が止まらなくなったり、母親失格だと思い込んだり、ひどい場合は死にたくなることもあります。
ただし、女性の産後うつ病については、産婦人科で「エディンバラ産後うつ評価尺度」というものを用いて、入院中に評価ができる体制を取り、未然防止に力を入れている病院もあります。
薬物療法はちょっと、という方はカウンセリングへ
出産前・出産後は、薬を使いたくないと思われる方も多い時期ではないかと思います。それでも薬物治療が必要な方はいますが、できる限り母親本人の気持ちを尊重するのが今の医療です。
もし、薬物治療はしたくない、ということであれば、カウンセリングを受けてみてはどうでしょうか。ゆっくりと時間をとって話を聞いてくれますし、他の人には言えない悩みも、公認心理師/臨床心理士であれば、守秘義務もありますので安心して話すことができます。ご自身が少しでも楽になる方法を探っていきましょう。
ちなみに、産後うつ病は産後1年以内と期限が決まっています。
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育児ノイローゼってなに?
育児ノイローゼというのは、育児を行っている全期間において起こり得るイライラや落ち込みのことを指します。子育てに対するイライラや子育てを手伝ってくれない夫への怒り、ママ友関係での悩みや落ち込みなど、「その状況であれば誰でもそう感じるよね」といった理解可能なものが多いです。問題が解決すれば症状も治まるので、病気とまでは言えないかもしれません。
実際、育児ノイローゼを主訴に精神科に来る人はいますが、育児ノイローゼとはいえないレベルのうつ病であったり、他の疾患であることが多いです。
じゃあ、育児ノイローゼはどうすればいいの?
こんな時こそ、カウンセリングの出番です。
愚痴として話し切ることでスッキリすることもありますし、専門家のアドバイスであれば素直に受け入れられたりします。
先ほども述べましたが、公認心理師/臨床心理士には守秘義務があるので、カウンセリングで心にある思いの丈を全部話したとしても、それが人に伝わることはありません。精神科医として、育児ノイローゼにはカウンセリングが一番良いのではないかな、と考えています(あくまで、私個人の意見です)。
まとめ
今回は、育児ノイローゼと産後うつ病の違いを説明させていただきましたが、ご理解いただけたでしょうか。
産後うつにしても、育児ノイローゼにしても、カウンセリングが効果を発揮する場面です。今ご妊娠中の方や育児期にある方は、もしものために近くのカウンセリングルームを探してみてもよいかもしれませんね。
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岡田 夕子 Yuko Okada
精神科医/コラムニスト
医師×YouTuber×Webライターとして、さまざまな分野で才能を発揮しています。運営するYouTubeチャンネル『精神科医・みずきのこころチャンネル』では、こころの病気・症状、お悩み解決の仕方などを、自分の体験談なども交えながら発信しています。
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