こんにちは、看護師・保健師/コラムニストの竹内英子です。
今回のコラムでは、「思春期」について取り上げています。
反抗期は子どもが順調に成長している証拠。そうはいっても思春期に訪れる「第二反抗期」は、親にとってもなかなか辛いものですよね。
今回のコラムでは、思春期の子どもとの付き合い方について考えていきましょう。
第二次反抗期ってなに?
子どもが思春期になって、親や学校の先生などに反抗的になる時期を第二反抗期といいます。
自分探しの時期 思春期は第二次性徴で自分自身の体と心に戸惑い、これまで「自分」だと思っていたものが揺らぐ不安定な時期です。この頃の子どもは、新しいホルモンバランスや急に大きくなった体に慣れるだけでなく、乗り越えなければならない大きな課題があります。
自我同一性(アイデンティティ) アメリカの発達心理学者、エリク.H.エリクソンが提唱した心理社会的発達理論「発達段階説」では人の生涯が8つの段階に分けられており、思春期も含まれる青年期は自我同一性(アイデンティティ)の確立の課題をクリアする時期とされています。 自我同一性を確立するには、子ども自身が試行錯誤しながら「自分はどうあるのか」を決めていかなければなりません。ちなみにエリクソンの発達段階説では、この自我同一性を確立するまでには20代半ばくらいまでの猶予期間「モラトリアム」があるとされています。
親との関係を再構築する時期でもある 思春期以前は精神的にも物理的にも親の庇護下にあることが当たり前でしたが、思春期では経済的には親に頼りながらも親とは別の自分を確立していかなければならないため混乱が生じます。時間をかけながら、親との関係も再構築されていく時期でもあるのです。
思春期の子どもとの付き合い方
前項では、子どもが思春期にどのような状態になるのかということをみていきました。
この項目では、状態を理解した上で、子どもをどのように受け入れたらよいかについてお話します。
子どもの試行錯誤を受け入れる 思春期の子どもは、一番自分に似ていて、距離的にも近い大人との関係を「ウザイ」と感じながらも、気にしています。子どもが新しいチャレンジをしたり、言葉遣いが変わったりした際に不用意に否定しないように気を付けましょう。 思春期は特に外見を気にする時期です。体格や容姿はもちろんですが、子どもが新たにチャレンジした髪型やファッションを不用意に批判するのはやめた方がよいでしょう。
挑発に乗らない、親も嫌なことは「イヤ」と言う 思春期の子どもが親に対してイライラをぶつけてくることは、よくあることです。「大きな声を出されるとドキドキするから、静かに話して」「ババアと呼ばれるのは好きじゃない」と静かに親自身の気持ちとして伝えるとよいでしょう。
必要な際には親もあやまる、過剰にあやまりすぎない 親に落ち度があったことについては、素直に「ごめんなさい」とあやまることも大切です。ただし、「なんだかわからないけれど怒っているからあやまる」というパターンは悪循環になりやすいものです。無暗にあやまるよりは、少し子どもから離れているようにするとよいでしょう。
距離をとりつつ、「いつでも相談にのるよ」というメッセージを日常的に伝える 「困ったことがあったら相談してね」と軽く、日常的に伝えておくと、イライラしている子どもから距離をとった際にも、落ち着いてから相談してもらえるかもしれません。もし、子どもから相談された際には、教科書的な正しいことよりも、親自身の思春期の体験を話してあげると受け入れやすいものです。大人になってからの体験を伝える際には「30歳でやっと〇〇」という風に、プレッシャーにならないように話してあげましょう。
思春期の子どもとの関係は、親自身にとっても試練の時です。
「子どもとどう接してよいか分からない」
「子どものイライラに巻き込まれて辛い」
そんな方は大人になっていく子どもとの親子関係の再構築のために、オンラインカウンセリングやオンライン講座などを受けてみるのもおすすめです。
◆LIB Laboratoryのオンラインカウンセリング
悩みながらもしっかりと子供に向き合うことで、親にとっても得られるものはかけがえのないものとなるでしょう。数年後、笑って親子で思春期の時期を話せるように、“今”を大切にしてくださいね。
参照:
参考図書: E.H.エリクソン「自我同一性―アイデンティティとライフ・サイクル」1973.3.1人間科学叢書
◆心理カウンセリング
◆LIB Laboratoryの公式LINE
竹内 英子 Eiko Takeuchi
自身の子育てや介護の体験と業務上の個別相談対応から、睡眠は、メンタルヘルスだけでなく身体の健康や日々のパフォーマンスに密接に関連していることを実感し、リラックス法や呼吸法などを取り入れた睡眠指導を行っている。
<保持資格>看護師、保健師
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