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PMS(月経前症候群)でのメンタルケア

精神保健福祉士・社会福祉士/コラムニストの久木田みすづです。


みなさんは、PMS(月経前症候群)という言葉を聞いたことがありますか? 30~40代の女性であれば一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。


今回は、PMSとはどのようなものか、そして、PMSに対するメンタルケアとは、というところをお話しさせていただきます。




PMS(月経前症候群)とは


PMSというのは、月経前症候群の英語を省略したものです。文字通り、「月経の前」に起こる「症候群」です。


排卵後に着床がない場合、子宮内膜を剥離するための準備をします。この期間に、「イライラ」や「落ち込み」「不安」などが見られます。この状態が月経まで10日程度続きますが、これらは、月経が来ると自然と症状は治まっていきます


イライラしている女性に対して、「この人はなぜこんなにイライラしているのだろう」と思ったことはありませんか?それは月経前症候群のせいだったかもしれません。




PMSの治療法


PMSには、大きく分けて3つの治療・改善法があります。

まずは、産婦人科による治療、そして精神科による治療。最後は、心理カウンセリングによる改善です。


順番に見ていきましょう。




産婦人科による治療


産婦人科ではピルの服用により、PMSの治療ができます。もし子どもが欲しいと思っている時期でなかった場合は、低用量ピル(時によっては中容量ピル)によって、排卵自体を抑えることがPMSの治療となるのです。ピルを飲んだからといってPMSの症状がすべて抑えられるわけではありませんが、十分に軽減はされます。

ただし、ピルを飲むことについては血栓のリスクが高まったり、乳がん・子宮体癌のリスクが高まったりしますので、十分に産婦人科の先生と話し合ってから考えていきましょう




精神科による治療


PMSで見られる症状は、「うつ病で焦燥(イライラ)が高まっている状態」と少し似ているところがあります。そのため、うつ病の薬(セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI))などを用いることによって、症状の緩和が図れます。1ヶ月のうち月経前の10日間飲むことが通常です。毎日飲むピルよりは少し抵抗が少ないかなと思いますが、いかがでしょうか?




心理カウンセリングによる改善


そうはいってもやはり薬を飲むのは怖い・・・そういう方がいるのは、自然なことだと思います。そういう場合は、心理カウンセリングによる改善をはかることがおすすめです。


月経前の眠気や集中力の低下に睡眠トレーニングを行なったり、うつやPMSに関わるといわれているセロトニンが生活の中で安定して分泌できるようにしたり、PMSに対して自分でコントロールできるようになるように、公認心理師/臨床心理士さんといろいろなお話をしながら解決策を図っていくことになります。




まとめ


今回は、月経前症候群(PMS)のメンタルケアについてお話しさせていただきました。PMSは体験した人にしかわからない苦しみがあることと思います。そんな人のために、

  • 産婦人科による治療

  • 精神科による治療

  • カウンセリングによる改善

を説明させていただきました。


どれかひとつに固執せず、これはあってなかったから他の治療法・改善法を試してみよう、といったことも可能です。

あなたのPMSが少しでも軽減して、楽に生きていけますように。



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久木田 みすづ Misuzu Kukita


カウンセリングセンターや精神科病院に勤務。うつ病などの患者さんや、その家族に対するカウンセリング・相談や支援を経験。以前より好きだった「文章で表現すること」を活かし、現在はメンタルヘルス系の記事を執筆するライターとして、多くの人に心と体をケアする大切さについて積極的に伝えている。

<保持資格>日本心理学会認定心理士、精神保健福祉士(国家資格)、社会福祉士(国家資格)

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