「妊活の最後の砦」と捉えている方も多い体外受精(顕微授精含む)。数年前にはTVである芸能人の方が、「今は40代でも不妊治療をすれば簡単に妊娠できるらしいよ。だから、妊娠は焦っていない」とおっしゃっているのを見かけました。
でも、実際は・・・
今日は、体外受精に何度もトライしているけどうまくいかない、と悩む妊活WOMAN®さんへ向けたコラムです。
■ARTでの妊娠率と生産率
下記の表は、2015年の『ARTによる妊娠率・生産率・流産率』です。
(日本産婦人科学会 ARTデータブック2015<http://plaza.umin.ac.jp/~jsog-art/>より)
前回のコラム「妊活しても妊娠できない!?私が妊娠できる確率はどれくらい?」でもこの表を使ってお話をしたので覚えている方もいるかもしれませんね。
40歳での総ET妊娠率を見てみると25%を超えており、「悪くない結果だ」と感じる方もいるかもしれません。しかし、注目すべきことは生産率(実際に出産に至った数)です。26歳で20%、40歳では10%を切っています。
妊活で大切なことは、正しい知識を知ろうとすることです。今回のデータもその1つなので、事実として客観的に受け取るようにしましょう。
一方で、妊活中のメンタルケアで大切なことの1つとして、「数字に振り回され過ぎない」ということもあります。このデータはあくまで平均値であって、あなた自身が当てはまるとは限りません。データは客観的に物事を判断する際の資料と位置付けるとよいでしょう。
■「どうしてうまくいかないの」ではなく「どうしたらうまくいくのかな」と考える
不妊治療がうまくいかないとネガティブな感情が芽生えてくることもあるでしょう。「どうしてうまくいかないの?」そう考えると、「あれがいけなかったのかな?」「これがいけなかったのかな?」そんな風に過去の自分に対してダメ出しをし始めます。そうすると、「もっと~しなくてはいけない」と考え方や行動の制限をかけることになります。
ただでさえ制約の多い不妊治療。自分で自分に制限をかけることで、今よりもっとストレスを増やすことにつながってしまうと苦しいですよね。
そうではなくて、「どうしたらもっとうまくいくのかな?」そう考えると、「なかなか踏ん切りがつかなかったけど、前から考えていた○○をやってみようかな」「我慢し続けた○○はあまり意味がなかったかもしれないからやめちゃおう!」など、希望のある未来に向けた行動に意識が向くようになります。制限の中から生まれる行動目標ではないので、苦しくなりません。
こんな風に、「どうしたらもっとうまくいくのかな?」と自分への問いかけを変えるだけで気持ちが楽になります。
今まで「どうしてうまくいかないの?」と考えていた妊活WOMAN®さんはぜひ変えてみてくださいね。
■自分と向き合う時間を大切にする
「どうしたらもっとうまくいくのかな?」と考えるときに、30分でも1時間でもいいので
『自分のための時間』を持つように心がけてみましょう。お気に入りのカフェでも、一番落ち着く自宅のリビングでもよいです。
ホッとできるお気に入りの飲み物とノートとペンを用意して、自分の気持ちを確認するように気持ちを文字にしてみます。 書くことは自分の気持ちをなぞらえることなので、「なんとなく感じていたこと」を意識できるようになります。
また、書き出したものを読み返すことで、自分を客観視できることにもつながります。
自分の気持ちを客観的に確認することで、「これからどのようにしていくか」「どうしていきたいのか」ということも冷静に考えられるようになります。
ぜひやってみてくださいね。
自分1人ではなかなかペンが進まない、という方は、心理カウンセリングや妊活CAFEにぜひいらしてくださいね。私がいろいろ問いかけますので、それに答えていくことでご自身の気持ちと客観的に向き合えるようになりますよ。
◆心理カウンセリング
◆LIB Laboratoryのイベント情報
今井 さいこ Saiko Imai
LIB Laboratory代表。公認心理師/睡眠指導者。
高校生の時「環境が心に与える影響」に興味を持ったことから、大学で心理学を専攻。臨床心理学を中心に認知心理学、知覚心理学、行動心理学、生物心理学、発達心理学を学ぶ。
その後、社会人としてベンチャー企業に勤める傍ら、心理カウンセラーとしての勉強と実践を積み、女性向けカウンセリングを始める。
2013年から7年間妊活支援に特化した心理カウンセリングを提供。現在は、睡眠指導者やナチュラルライフセラピスト、アロマテラピーアドバイザーの知識も活かした心理カウンセリングにより、心身共に健康に導くカウンセリング、パフォーマンスを上げるための睡眠指導をおこなっている。
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