不妊治療を始める際にまず悩むのは、どこのお医者さんにかかった方がいいのだろうか、ということでしょう。自分にあった病院、さらに医師を見つけるのは中々容易でないかもしれません。
今回のコラムでは、病院選びのポイントについて考えてみましょう。
■成功報酬の病院や初診前にチュートリアルがある病院も
日本の全国各地に産婦人科や不妊を専門にしている医療機関があり、かなり特別な治療方法を行っている病院以外では、“タイミング法”“人工授精”“体外受精”など、一般的に同様の治療が提供されています。そのため、病院選びに悩む方は多いことでしょう。
実際に治療を開始する前に、大抵のカップルは1つもしくは幾つかの病院にて基本的な生殖器機能について一旦は調べると思います。念入りにコンサルティングや治療計画を調べ、医師の評判なども確認した上ですぐに治療に取り掛かる場合もあるとは思いますが、最初にかかった医療機関の診断や治療プランに納得がいくとは限りません。そこで、まず順を追って決断に必要な項目を一つずつ検証してみてください。
治療を受ける本人自身が心地よいと思える医療機関に通うことが大切です。
■心地よい病院選び、5つのポイント
1:不妊治療専門病院、産婦人科、一般内科
不妊治療の需要が増加しているため、産婦人科では不妊治療専門医師が常駐している病院も増えてきています。不妊検査も治療も日常の中で大きなストレス要因となる妊活WOMAN®もいることでしょう。そのため、最初から不妊治療専門病院へいく事が躊躇われる場合、婦人科での検査から始めると心持ち楽かもしれません。
かかりつけの家庭医などがいる場合は、まずは不妊について相談してみるのも良いでしょう。
また、厚生労働省の取り組みにより、各都道府県に必ず1つは不妊専門相談センターがあり、専門家による電話相談や面接、メールでの相談ができますので、こちらを利用してみてもよいでしょう。
2:治療の専門領域
すでに不妊検査を男女共に受け、男性のみに不妊の原因があることがわかった場合は、男性不妊の専門病院を選ぶことも選択肢の一つです。男性にとって、中々通い辛い生殖器系の病気の治療も男性専門の医療機関であれば、 通院患者さんも男性であるため、通いやすく感じられるでしょう。
男性不妊に限らず、特定の分野に強い病院や特化した病院は心強い存在にもなります。病院の専門領域、所属している医師の専門分野なども確認してみるとよい選択ができます。
3:医療機関の所在地
治療をするために通う病院。しかしながら、移動時間や予約状況が負担になり、ストレスが必要以上に溜まり感情などに影響を与えるようであれば、選択した通院はネガティブな要素になってしまいます。不妊に関わらずストレスは健康の大敵です。例え、どんなに不妊治療領域で著名な医師の治療を受けられるとしても、通院がストレスになってはいけません。自分が無理なく通える病院選びも大切なポイントとなります。
4:料金について(保険適用か否か)
不妊治療には、金銭面での不安が必ずあると思います。
特に、人工授精や顕微授精を含む体外受精では不妊治療が保険適用外となる上、自由診療のため病院により価格にも差があります。
一回の不妊治療で妊娠する人もいれば、何年もかかるケースもあり、経済的負担も大きくなりがちです。自身の経済状況にあったプランを提供している病院を見つけることも大切です。
お住いの自治体によって、助成金の制度も違いますので、そちらもご確認くださいね。
5:医師との相性
主治医に質問をしても定例の回答しか得られず、コミュニケーションに不安を抱える場合があります。現代ではクライアント(患者)に焦点を当てた医療サービスが重要視されていますが、そうではない現状があることも事実です。
一方的な意見や見解しか話さない医師とはコミュニケーションも上手く測れません。クライアントの話を真摯に聞き、相談に乗りながら一緒に治療計画を立ててくれる医師がいることは、何より心の頼りになります。ネットなどの評判を見ても万人にあった医師そして治療方針というものがなかなかないことが分かります。
是非、治療のチームメート、アドバイザーとなってくれるような医師を探してくださいね。
病院によっては、不妊治療についてのセミナーや体外受精についての説明会を行っているところもあります。そういった病院では、実際に医師と会う機会もあるため、希望する病院にセミナーや説明会があるようでしたら積極的に参加してみましょう。
不妊治療の病院選びは、妊活にとってとても重要な様子です。 「近いから」「〇〇さんがいいって言ったから」ではなく、ご夫婦が納得した上で通院するようにしましょう。
安藤 麻矢 Maya Ando
ライター歴20年。専門分野は社会科学。趣味は動物の短編小説を書いたりイラストを描いたりすること。同情よりも共感が少なくなっている世の中、駐佐那手助けが人の心を救えることを信条としている。米国の大学にて心理学学位取得、香港の大学にて健康行動学でマスターを取得しており、グローバルな視点と知識をもとにしたコラムを執筆している。LIB Laboratoryでは妊活中の心理に加え、自身の介護経験を通じて感じることを心理学的な視点を交えてお伝えしている。
https://www.liblaboratory.com/andomaya
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