不妊治療を頑張って続けているけれど、なかなか妊娠・出産に至らない…そんな悩みを持つカップルは多いものです。赤ちゃんを授かりたいと、さまざまな犠牲を払って不妊治療を受けている方もいるでしょう。そのような気持ちで不妊治療をしていると「治療すればするほど不妊になっている」感覚を持つ方もいらっしゃいます。
今回のコラムでは、長期化する不妊治療の問題点と理由、その解決方法についてお伝えしていきます。
■そもそも、不妊治療の妊娠成功率は?
皆さんご存知のように、そもそも不妊治療は受ければ必ず妊娠できるというものではなく、その妊娠成功率はシビアなのが現実です。
厚生労働省作成の日本産婦人科学会2010のデータに基づく統計によると、体外受精の妊娠成功率は1回平均20~30%ほどですが、年齢が上がるごとに確率は大きく減少していきます。不妊治療により出産まで至る確率となると、30歳で19.9%、35歳で16.3%、40歳で7.7%、45歳で0.6%というのが実情です。
不妊治療をすればするほど不妊になっていくように思える一因として、この加齢による妊娠成功率の減少が挙げられるでしょう。
■長期化する不妊治療の問題点
そして、不妊治療が長期化していくと、別の問題点もいくつか浮上してきます。
◇経済的負担
不妊治療には、お金がかかります。経済的な不安からストレスが増したり、女性が仕事を辞めたくても辞められない、またはカップル間の争いの原因になることも。
◇身体的負担
特に女性側には、不妊治療や薬の副作用によるストレスがかかってきます。女性が仕事を続けながら治療を行う場合は、スケジュール調整の難しさや体調の変化などが原因となる身体的・精神的ストレスは更に高まります。
◇精神的負担
また、男女ともに生活が制限されることによるストレスも見過ごせません。治療行為に恥ずかしさやストレスを感じる人も多いでしょう。そして治療を受けたからといって確実に妊娠できるわけではない不確かさもあり、治療の長期化に伴い抑うつ傾向が高まると言われています。ある調査では85%の女性が、不妊治療をはじめてから特別なストレスを感じていると回答しています。
■メンタルケアの大切さ
不妊治療は、私たちが赤ちゃんを授かるための大切な方法の一つです。しかし、こういったさまざまな要因から、長期化すればするほどストレスが溜まりやすいのです。
過度のストレスは、妊活には百害あって一利なし、妊娠・出産のコンディションを整えるためには、ぜひ軽減させたいところ。不妊治療の成功確率を上げるために、適切なメンタルケアを取り入れましょう。
とはいえ、どうやってストレスケアをしたらいいのか、方法が分からない方もいますよね。そんなときは妊活の一環として、まずはカウンセリングを活用してみてください。
皆さんが少しでもストレスの少ない不妊治療を経て、赤ちゃんを授かりますように!
◆心理カウンセリング
恵 理世 Riyo Megumi
コラムニスト/メンタルケアカウンセラー
専門は女性のための深層心理分析。産前産後のお母さんたちのメンタルケアを中心に活動。自身も不妊や流産に悩み、妊活の末、現在は一児の母。日英バイリンガルとして、世界各国の人々のカウンセリングを行ってきた経験と女性のメンタルケアに携わってきた臨床経験を活かし、グローバルな視点でのコラムを執筆している。
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