子どもを待ち望むカップルには、日常のストレス以外にも不妊治療や妊活に伴うスケジュール調整、体調の変化といった妊活中ならではのさまざまな要素が加わり、心や体が乱れやすくなります。
しかし、メンタルヘルスの安定は妊娠・出産において非常に大切です。
この期間を健康で幸せなものにするには、妊活中カップルとしてどのような点に気を付け、お互いに働きかけていけばよいのでしょうか?
■妊活中メンタルヘルスに影響を及ぼす要素
妊活中カップルのメンタルヘルスに大きく影響するプレッシャーや不安、感情の波に対して、まずは自分がどのように感じているのかじっくり考えてみましょう。
また、あなたのパートナーはこのような不安や悩みについて口にしたことはないでしょうか?
【プレッシャー】
経済的なこと 家族を増やすために、もっと経済的に安定しなければならないと感じる。
家族や周囲から 子どもを持つことを急かされ、期待されている。「男の子を生んでね」など性別の産み分けを期待されている。
妊活の重圧 妊娠するには〇〇をしなければならない。タイミングを取ることへの責任感とプレッシャー。
【不安】
親になることへの不安 本当に親になる覚悟が出来ているのだろうか?子どもにとって良い親になれるのだろうか?
限られた時間と選択 この妊活・治療方法は正しい選択なのだろうか?本当に妊娠できるのだろうか?
【期待や悲しみ】
今度こそ妊娠しているかもしれないという期待。
妊娠に至らなかった時や、流産、死産などさまざまな理由で出産まで至らなかった時の悲しみや、深い絶望感。
■妊活中カップルに欠かせないメンタルケア
こういった気持ちの乱れや葛藤を放置し続けると、ストレスからホルモンバランスの乱れが引き起こされて妊活が滞ったり、カップル間で気持ちのすれ違いや大きな溝となってしまうこともあります。それを防ぐためには、カップルがお互いのメンタルヘルスの維持に働きかけることが大切です。
女性に必要なメンタルケアの第一は、妊活や不妊治療に伴う心身のストレスを理解・自覚し、日々しっかりと労わることです。些細なことも含めて、パートナーと不安やストレス、体の状態を共有しましょう。パートナーは、女性が妊娠について日々意識し実感することの大変さを思いやり、共感に努めることが生きてきます。
一方、男性に必要なメンタルケアには、彼が経済的なプレッシャーや「妊娠させなければならない」という重圧に押しつぶされないよう注意することが挙げられます。妊娠、出産、親になることへの不安や疑問をしっかり吐き出してもらい、男性特有の気持ちや意識の違いを共有できると解決策が見えてくることもあります。
妊活という人生の一大イベントに共に取り組むことで、さまざまな軋轢や困難を感じることもあるでしょう。しかしこの経験を通じてお互いの心に対する理解を深め、精神的にケアし合うことにより、カップルの関係はより強いものへと成長することができます。
ぜひお互いに労わり合い、実りある妊活期間を過ごしていきましょう。
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恵 理世 Riyo Megumi
コラムニスト/メンタルケアカウンセラー
専門は女性のための深層心理分析。産前産後のお母さんたちのメンタルケアを中心に活動。自身も不妊や流産に悩み、妊活の末、現在は一児の母。日英バイリンガルとして、世界各国の人々のカウンセリングを行ってきた経験と女性のメンタルケアに携わってきた臨床経験を活かし、グローバルな視点でのコラムを執筆している。
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