非常事態宣言が全国へと拡大し、外出自粛の動きがさらに加速しています。不自由な生活の中で、ストレスや不安、疲れなど、メンタル面でもネガティブな影響が出ている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
外に出て思いっきりリフレッシュをしたい!
早く友人に会いに行きたい!
安心して電車に乗りたい!
今は我慢の時とは言え、いろいろな欲求が今ご自身の中に渦巻いていることと思います。
中でも、経済的に逼迫している方たちにとっては、とにかく仕事をして生活の心配から逃れたい気持ちも大きいことと思います。
不安、心配から逃れるために、「何かをやらなければいけない」と焦燥感をいただいている方もいるのではないでしょうか。
今回のコラムでは、何から手を付けたらよいかを心理学的観点から見ていきます。
心理学に“マズローの五段階欲求説”と呼ばれるものがあります。アメリカの心理学者アブラハム・マズローが人間の欲求を五段階に分けて理論化したものです。(下図参照)
それぞれの欲求について、ピラミッドの下から順に説明しますね。
生理的欲求 食欲、睡眠欲、排泄欲、性欲など、人が生命を維持するうえで必要な本能的欲求
安全欲求 安心・安全に暮らせること、経済的な安定、健康を維持すること、など予測可能で秩序だった状態でいたいという欲求
社会的欲求(所属と愛の欲求) 人との情緒的な結びつき、どこかに所属している(居場所がある)ことで得られる安心感など、社会的に必要とされることで満たされる欲求
承認欲求 存在価値を認められたい、尊重されたいという欲求 尊重欲求には2つのレベルがあり、低いレベルは他者からの尊敬や称賛、名声や注目を集めたいという他者評価を軸とした尊重欲求、さらに高いレベルでは、自尊心、自己信頼感、自立性など自己評価を軸とした尊重欲求とされている
自己実現欲求 自分の能力や可能性を最大限に発揮し、望む存在、環境などを実現したいという欲求
一般的には下から順に欲求を満たしていくことで、次の段階の欲求が出てくると言われています。
例えば、現在“新型コロナウイルス”にかかっているとしたら、生理的欲求が満たされないため、まずはこの欲求を満たすために体調を回復させたいという欲求を満たすことが優先されます。
”新型コロナウイルス”にはかかっていないけれど、経済面で大きな影響を受けていて、今日・明日の生活を心配する状況にあるとしたら、安全欲求が満たされません。こうした状況にある方に「5年後の在りたい姿を描きましょう」と訊くと、この質問は自己実現欲求を満たす質問で、それより下の欲求が満たされていないため、当然ながら「それどころではない」ということになり、描くことなどできません。
現在のご自身の欲求段階を確認し、その段階にあった欲求をまずは満たすことが大切です。そして、その自覚を持った中で必要な支援を探したり、生活を組み立てたりしていきましょう。
ご自身の欲求が1人で整理しきれない方は、LIB Laboratoryのカウンセリングをご活用ください。頭の中の整理をお手伝いしますので、落ち着いて行動ができる心理状態になりましょう。
■心理カウンセリング
今井 さいこ Saiko Imai LIB Laboratory代表。公認心理師/睡眠指導者。 高校生の時「環境が心に与える影響」に興味を持ったことから、大学で心理学を専攻。臨床心理学を中心に認知心理学、知覚心理学、行動心理学、生物心理学、発達心理学を学ぶ。 その後、社会人としてベンチャー企業に勤める傍ら、心理カウンセラーとしての勉強と実践を積み、女性向けカウンセリングを始める。 2013年から7年間妊活支援に特化した心理カウンセリングを提供。現在は、睡眠指導者やナチュラルライフセラピスト、アロマテラピーアドバイザーの知識も活かした心理カウンセリングにより、心身共に健康に導くカウンセリング、パフォーマンスを上げるための睡眠指導をカウンセリングに取り入れている。 https://www.liblaboratory.com/imaisaiko
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